多くの一般家庭向けのインターネット接続サービスは一定の条件が整った場合のみ理論値の最大を実現するベストエフォート型のサービスとなっています。
例えば下り最大1Gbpsの伝送速度が理論値として明示されているサービスに加入しても、そのまま1Gbpsの速度が出るのは全ユーザーの中でもほんの一握りで、ボリュームゾーンとなっているのは500Mbpsを切る程度の速度に留まっているのが現状です。そのような事情から一般家庭でネットワーク機器の接続に利用するlanケーブルは必ずしもハイスペックのものである必要は無く、下位互換のカテゴリのlanケーブルを使用してボトルネックとなり速度低下が発生したとしても、いわゆる普通の使い方であれば問題が無いケースもありました。
しかし、ここに来て大きく事情が変化しているのが大手通信キャリアを中心にスタートし始めている10Gbpsのサービスの登場です。これまではさほど気にならなかった速度差も10Gbpsという桁違いのレベルではlanケーブルのカテゴリの違いによる速度低下がより大きな影響を表わし始めます。1Gbpsに対応したlanケーブルを10Gbpsのサービスで利用すれば単純計算で10分の1まで下がってしまい、いくらベストエフォート型のサービスであっても決して見逃せない状況が発生します。そのような事情から一般家庭向けのサービスを利用する場合でもlanケーブルの仕様にシビアな時代が到来しています。